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【ハイキュー】キミが好き【短編集】

第2章 リップ(だいたい一年後)


「ねぇ英くん………」



「ん~~~?」





土曜日



私の部屋なんだけど、私以上にリラックスして

ベッドに寝転んでスマホを見ている英くん。




そんな英くんとは正反対の

リクルートスーツ姿の私が項垂れる。





リクルートスーツは嫌い。



真っ黒で、地味。


ただでさえパッとしないのに、

こんなの着てたらどうしようもない。



そして肩が凝る

表情も強張る





だから早く、解放されたいのに





「就活が終わる気がしないよぅ………うぅっ」





去年の今頃、英くんはもう

就活は終わっていた。



先日無事に入行式も終え、

社会人スタート。



社会人って大変?って聞いても

要領のいい英くんは、


まだ始まったばっかりだしわかんない。って





「焦んなくてもいいんじゃない?」



「そう言われても………」



「まわりは決まりはじめてるの?」



「そこまでは………」



「ほら」





ほらって言われても………





「でも英くんはもう決まってたじゃん。

それに何やりたいかもよくわからないし………」





そうなの、たぶんここが問題。


やりたいことが特にない。




ただ、大学まで通わせてもらって

就職しないわけにはいかない。


だから周りに倣って就活はしてるけど、

やりたいことがわからない私は、

業種、職種あまり関係なく就活中。



たぶんそれも原因でなかなか先に進めないし


一度だけいけた最終面接、

手応えはあった。



だけど、だからこそ

これでもダメなんだって。



私なんかを雇ってくれる会社はあるんだろうか

そう考えると、ないんじゃない?って


そしてもし、運良く就職先が決まっても

ちゃんと社会人として働いていけるのだろうか、とか。
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