第1章 Taboo
「お疲れさまでした」
今日は冠番組3本撮りだけの仕事で、何時もよりは早く終わった。
「翔……俺に元気をくれ……」
そんでもって今日バリバリ動かされた『恋人』の潤は、くたくたしてて、抱き付いてきた。
(めんどくさ……)
「しょうがないな……」
そういってキスする。
あ、一応楽屋です。
「ん、ありがと。
おいしかったぜ」
雑誌の撮影があるとか言う潤は俺に短いキスを何度もさせると次の現場に向かって行った。
「ふぅ……」
手元にあった珈琲を飲んで、新聞を広げると、
(ほらきた)
「翔くんのえっち」
頬を膨らませてチロっと睨む智くん。
「何が『えっち』だよ」
「まちゅづんとちゅっちゅしてた、この浮気者」
別にあんたと付き合ってる訳じゃないんですけども…
「どうせ俺はキス魔の浮気者ですよーだ」
一瞬かずの耳がピクッってしたのばれてんぞ
「あっそう。なら、ちょっとこっち来てくんない」
ちぇ、もっと可愛いかずが見たかったな。
気持ちを押さえて智くんについていく。
貴方のにやけ顔を拝みながら。