第1章 Taboo
そろそろ着替えしないとな……
後処理もあるしな。
“もう少しだけ和と繋がったまま居たい。”
そんな気持ちを押し殺して
「和、着替えよう。」
と言う。
が
「しょおさん……もう少しだけ…」
となかなか離してくれない。
「和……皆来るから…」
時計を見るとあと10分程度でトップバッターが来る時間。
でも和はいやいやと首を横に振る。
しょうがねぇ……
「……“雅紀”に
バレてもいいのか?」
そう言えば
渋々手を離す和。
その目には……
「っ……翔さん、ごめん…」
涙。
俺のしたことは強ち間違いじゃないが……
この関係は間違いで。。
それなりにイロイロあって……
和が…
和が、俺を求めてくる理由も大体分かる。
…………でも、
「……俺も、ごめん」
三人にはバレる訳にはいかないんだ。
 ̄_ ̄_ ̄_ ̄_
「ニノちゃん、おっはよぉ!!!!」
「んふふ、ニノ、翔くん、おはよ」
「翔さん、はよ」
着替えも終わり和も俺も何時もの位置に座った所で三人登場。
「うげ、雅紀……」
「ちょ、ニノちゃん酷いー!!」
さっきまで俺にすがり付いていた和は雅紀といちゃつき始める。
……結構、面白い。
新聞紙と和をこっそり交互に見ていたとこで
「……翔」
「んっ……潤、どうした?」
「ちょっと、松潤!おいらの翔くんに抱きつくなー!!」
一応『付き合ってる』のは潤だけど、智くんもグイグイ食い込んでくる。最近。
…………まぁ、
俺は別にどっちでもいいし。
……俺と和の関係は、互いの『嫌』と言う気持ちから始まった。
でも、
『本当の恋人』
と
『浮気相手』
では
『所詮、セフレ』
という言葉で片付く俺たちが、『浮気相手』を選ぶ事はできず
『本当の恋人』
を取るしかないのだから、
俺たちは互いの恋人が、心から満たされる事をするしかない。
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