いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第9章 私の嘘
怪我した3人を社に連れ帰った後、
軽症の敦は社の救護室のベットに眠り
谷崎とナオミの2人は
与謝野に治療してもらっていた
そして沙羅はというと____
「おい沙羅、今手空いてるか?」
『ん?空いてるけど何____』
「ここに書いてある資料を資料室から持ってきてくれ」
『良いけど、ちょっと待っ____』
沢山積み重ねた資料を抱えた国木田から
一枚のメモを渡されて、
返事をいう暇もなく国木田は行ってしまった
というのも、
渡された紙に書いてある資料の量
とても一人で運べる量ではない
今探偵社はとても忙しいのだが
忙しいからか人手が足りていないようだ
『まぁ…往復すればいいか』
_____________
沙羅は資料室に入ると
渡されたメモに書いてある物を
一つ一つ棚から取り出して集め始めた
『んー…これ何処だ?…って、あんなところに…』
資料室の本棚は結構な高さがあって
上までびっしり資料が整頓されている
一番上の棚の資料を取ろうと
沙羅は全力で背伸びをして、
右でを上に伸ばした
『よし、取れた!』
ギリギリ手が触れたところで
その資料を引き抜こうと
グッと前に引き寄せる
が、この本棚には
資料が“びっしり”整頓されている
つまり、無理に取ろうとすると
『あっ…!ヤバっ…』
ドサドサドサッ…
こうなる訳である。
本棚の資料が自分の方に落ちてくる時
思わずギュッと目を瞑ったけど
落ちてきたはずの資料が
頭に当たる感覚がなかった