いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第7章 或る爆弾
翌日
国木田と沙羅は街を歩いていた
目的は太宰を探す為。
といっても、
街を歩いてそれ程経たないうちに
目的の人の話し声が耳に入った
「任せ給えよ我が名は太宰。社の信頼と民草の崇敬を一身に浴す男_______」
「ここに居ったか!!この包帯無駄遣い装置!」
そして国木田が大声で叫んだ。
「……国木田君、今の呼称はどうかと思う。ちょっと傷つく…」
呼び方に傷ついた太宰は頭を抱えると
隣にいた敦は横目で太宰を見た
「この非常事態に何をとろとろ歩いて居るのだ!早く来い!」
「朝から元気だなぁ」
つかつかと国木田が太宰の方に歩くと
太宰は能天気な返答をする
『朝から自殺に励んでる人には言われたくないよねぇ、国木田君』
「沙羅の言う通りだ!…とにかく、いいから早く探偵社に来い、爆弾魔が人質を連れて探偵社に立て篭もった!」
この国木田の一言により、
その場にいた4名は
急いで探偵社へと向かうことになった
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「嫌だァ……もう嫌だ………全部お前等の所為だ……武装探偵社が悪いンだ!社長は何処だ早く出せ!でないと……爆弾で皆吹っ飛んで死ンじゃうよ!」
4人が探偵社に入ると、
入り口から正面の机の上に
爆弾のスイッチを持った男が座り
机の前には人質の女性が縄で捕らえられていた
「あちゃー」
「怨恨だ。犯人は探偵社に恨みがあって、社長に合わせないと爆発するぞ、と」
『探偵社は色んな処から恨みを買うもんねぇ…』
入り口近くの草陰に隠れた
太宰、国木田、沙羅、敦
「…あれ、高性能爆薬だ。この部屋くらいは吹き飛んじゃうね。爆弾に何か被せて爆風を抑えるって手もあるけど…この状況じゃなぁ…どうする?」
『社長に合わせるのは駄目だし…第一出張中だしね。先ず人質をどうにかしないと』