いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第6章 人生万事塞翁が虎。/ 闇と光
『うーーん…ホントに此処?』
ヨコハマの何処かにある茶屋の前で
沙羅は携帯を片手に店の看板を見た
と同時に
「む、無理だ!奴…奴に人が敵うわけない!!あいつは僕を狙ってる、殺されかけたんだ!!」
大声で叫ぶ声がお店の中から聞こえてきた
『うわ、すごく嫌な予感…』
沙羅は急いで店に入ると
案の定、予想は的中し
店内で小さな騒ぎが起きていて、
「云っただろう、武装探偵社は荒事専門だと。茶漬け代は腕一本かもしくは全て話すかだな」
1人の男が少年を捕らえるように
床に押さえつけていた
『ちょっとちょっと、国木田君てば何してるの!此処お店の中だよ?』
「沙羅?!」
少年を捕らえていた男の名は
国木田独歩
沙羅と同じ武装探偵社の社員だ
「まぁまぁ国木田君、君がやると情報収集が尋問になる。社長にいつも云われてるじゃないか」
同じく武装探偵社員の太宰治が
少年を抑えてつけている国木田を宥めた
「それより、何故沙羅が此処にいる?」
『治が、“今なら国木田君に奢ってもらえるよ〜”ってメール送ってきたから。どうせまた面倒な事になってるんだろうなと思って来てみれば…、大丈夫?』
沙羅は呆れたようにため息をつくと
少年に手を差し伸べた
「あ、ありがとうございます…?」
『私の名前は夢月沙羅。君、名前は?』
「中島敦です…!」
沙羅と敦が会話している間に
何事かと様子を見ている店内の客を
国木田と太宰が落ち着かせた
『ごめんね敦くん、私の知り合いが手荒な事して…』
「えー、それ沙羅にだけは言われたくないんだけれど?」
『治はまず自殺の趣味をやめた方がいいと思うよ』