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いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】

第4章 君がくれた桜の花


−No side−



『さてと!これ以上此処にいると私出ていけなくなっちゃいそうだから、そろそろ行くね』


沙羅はもう一度、太宰のペンを手に持ち
脳内で転移の魔法式を立て始める



『っとその前に、中也、二つお願い言ってもいい…?』


「言ってみろ」


『この手紙を、森さんに渡して欲しいの』



沙羅はコートのポケットに
入れていた一枚の手紙が入った封筒を
取り出し、中也に手渡した



「……判った、渡しておく。で、もう一つは何だ?」



中也にそう問われ、沙羅は
キャリーケースとペンをギュッと握り
俯いていた顔を上げる


同時に風が通り抜けて
桜色の髪が、
本当の桜の花びらのように綺麗に靡いた




『きっといつか、会いに来るから………



  私の事、忘れないでね。』









『“転移”』

沙羅が中也に向けて
最後に言葉を言った後
すぐに、転移の能力を発動させ
沙羅は眩しい光に包まれた





















「……忘れる訳、ねぇだろ…」




光につつまれた沙羅は
一瞬にしてその場から姿を消し、

先程まで沙羅が立っていた場所を
中也はただ、見つめていた






今日のヨコハマに吹く風は、


いつもより少し、冷えていた気がする






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