• テキストサイズ

いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】

第3章 私がもっと、強かったら。





「………は…?」

『…なーんて、冗談冗談!』



沙羅は笑ってそう言っているけど
何故だか俺には、
冗談を言っている様には見えなかった



“もしも私が消えてしまった時は”


まるで、沙羅が、
何処かに行く事が判っている様に見えた



『さてと、早く残りの仕事も片付けないと!…ほんと、ありがとね、中也』


何事も無かったかのように
沙羅は側にあるソファーに座った
そして、太宰の分の仕事を片付け始める




……沙羅、

太宰の居場所、判ってるんじゃねぇのか?



そう言おうとしたけど、口には出さなかった

もしそうだとしたら、言ったところで
沙羅の意思は変わらないだろうから




沙羅の異能なら、
今日までの2週間もあれば
彼奴の、太宰の居場所なんて
簡単に見つけられる筈だ





「……俺は、手前が決めた事にケチ付ける気はねぇよ。」




書類に向かう沙羅の背中を見つめながら
独り言のように呟いて
返事をまたず、部屋から去った



/ 94ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp