いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第2章 戻れない場所
『うーん、そろそろ溜まってた書類の整理もしないとなぁ…』
沙羅はブツブツと独り言を呟きながら
ポートマフィアのビル内を歩いていた
そして曲がり角で曲がったところで
「うおっ!?」
『わっ…!?』
見事に誰かとぶつかった。
「おい手前、ちゃんと前見て歩け!……って、沙羅?」
『中也?!ごめんちょっと今考え事してて…』
正面からぶつかってこられて
今にもキレそうだった中也は
沙羅だと気づくなり怒りを収めた
そんな中也を
沙羅はじーっと見つめると
『…………ていうか中也、背縮んだ?』
唐突にも背の高さの話題を持ちかけた
「あ゛?手前いきなりそれかよ______ 」
そしてその話題については
気にしている中也
『あ!…間違えた、私が伸びたのか!』
「どっちも変わんねぇわ!」
小学生のような会話をする2人。
でも、ポートマフィア本拠地のこの場で
こんな会話をしていられるのは
今日がまだ平和だということだ
『うそうそ、ごめんって。…でも目線が合いやすいから話しやすいし、私は中也の背伸びないでほしいけどなぁ』
笑いながらそう云う沙羅を見て
中也は何か言おうとしたけれど
直ぐに沙羅から目を逸らした
「……っていうかそんな事より、沙羅が考え事してて人とぶつかるなんて珍しいな。なんかあったのか?」
一度会話が落ち着いたところで
というか無理矢理落ち着かせたところで
中也が心配そうに沙羅にそう問いかけた