第10章 パキスタン
承太郎はがつけているヘアクリップを指差して言った。
「あぁ、これ?花京院がプレゼントしてくれたの!可愛いでしょ?」(ニコニコ)
承「…そうか。あぁ、よく似合っている」
承(先を越されたか…そういやから何かを貰うことはあっても俺が俺自身の意思で何かをやったことはなかったな…今度俺もしてやるか)
「お気に入りなんだー♪そういえば明日朝…??承太郎?」
お気に入り、その言葉を聞いた瞬間、承太郎は我慢できずにを抱きしめた。
承「、俺はいつだってのことを想っているんだぜ。昼間だって確かに手を上げようとしたのは悪かったが、またもしかしたらに何かあったのかと思うと冷静じゃあいられなかった。」
「うん…分かったよ、ありがとう承太郎」
も承太郎の背中に腕を回した。
承「両親や彗のことも、すまなかった。なんの根拠もねぇのに大丈夫だなんて言っちまって。の心に寄り添ってやれていなかった。」
「ううん、承太郎なりに不安にならないようにしてくれていたんだよね、ちゃんと伝わってるよ、大丈夫」
承「すまねぇ…」
承太郎はを抱きしめる腕に力を込めた。
「承太郎、苦しいよ」
は笑いながら言った
承「!?あ、あぁ、そうだよな、悪い」
承太郎も思わず抱きしめてしまった自分に困惑していた。
「承太郎大きいから息できないよ」
承「が小さすぎるんだぜ、じゃあまた明日な」
すると承太郎は部屋を出て行った。
バタン
承「はぁ…やれやれだぜ…急に抱き締めちまうなんて俺は何をしてるんだ…それにしてものやつ、なんとも思ってなさそうだったな」
はというと
バタン
「はぁ…ドキドキした…なんなの?承太郎、今まで一度だって抱きしめてきたりしたことなかったのに、いきなり抱きしめてくるなんて…心臓に悪いよ…」
は承太郎にも花京院にも抱き締められたことをきっかけに段々と2人を仲間ではなく、男性として意識し始めていたのだった。