第10章 パキスタン
承「…」
承太郎は何も言えず、歯を食いしばった。
花「承太郎、君もを愛しているんだろう?なら、正々堂々と勝負しよう。どちらが勝っても恨みっこなしだ」
承「…おう。臨むところだ」
花「夜と話すといい。僕からも言っておくよ。僕はこれからと2人でちちょいと出かけるのでね」
承「自慢か」
花「そんなところかな、それじゃあな」
花京院はそう言って笑うと承太郎の部屋を出て行った。
承太郎も恋敵が出来てしまったものの、表情は先ほどよりも晴れやかになっていた。
「お待たせ!花京院!どうかな…?」
はポルナレフに髪を結ってもらい、シンガポールで出かけた時に買ったカジュアルながら少し可愛らしい格好をしていた。
花「!!…す、すごく似合っているよ…」
いつもと違うがあまりにもかわいかったので、花京院は顔を赤くしながらたじたじになってしまった。
花「…それじゃあ行こうか」
「うん!」
2人は束の間のデートを楽しんだ。洋服を自分にあてがいお互いに見せ合ってみたり、アイスを食べたり、ふざけ合ったり。他から見たらまるで仲のいいカップルのようだった。
そして先ほどが気になっていた雑貨屋に入った。
「わぁ…可愛いものが沢山ある…」
花「そうだな、どれもに似合いそうなものばかりだ。普段はあまりこういうものは付けないのかい?」
花京院はキラキラとしたヘアクリップを指差した。
「それすっごくかわいいね…好きだよ、こういう可愛いもの。旅に出る前はたまに付けていたりしたけど、今はそういう場合じゃあないからさ」
は苦笑いをしながら言った。
花(かわいそうに…本当はだって他の子のようにおしゃれをしたりして楽しみたいだろうに…なんて健気な…)
花「何か買ってあげるよ、好きなものを選ぶといい」
「え?そんな、いいよ、自分で買うよ!」
花「僕からいつも頑張っているへのプレゼントだ、あまり高価なものは買えないが…受け取ってくれ。それにそんなことで文句を言うやつは僕たちの仲間にはいないさ」