第2章 幼馴染
「ううん!ありがとう!すごく助かる!遊よかったね、これからは毎日承太郎が迎えに行ってくれるって!」
遊「承太郎兄ちゃん本当!?」
承「あぁ。本当だ。」
遊「やったー!!ありがとう!承太郎兄ちゃん!」
承太郎は遊の頭をポンポンとした後にの方を向いた
承「ただ何かあった時は迎えに行ってやれないが、それでもいいか?」
「もちろん!週一回だとしてもすごく助かるよ。ありがとう承太郎」
承「おう。それじゃあそろそろ帰るとするぜ。」
すると承太郎は体の向きをくるりと変え、歩き出した。
「気をつけてね!」
遊「承太郎兄ちゃんまた明日ね!!楽しみにしてるね!!」
2人は遠ざかる承太郎の背中に声をかけると、承太郎は振り返らずに片手をあげて帰っていった。
ー3ヶ月後ー
承太郎との2人は朝一緒に登校しなくなった代わりに帰り道を一緒に歩くようになっていた。
承「両親に連絡はついたのか?」
「それがつかないの…そろそろ帰ってきてもいい頃なんだけどな…何かあったのかな…」
そう帰ってくるまであと1ヶ月程度というところまできた瞬間に両親や兄との連絡が途絶えてしまったのだ。
承「大丈夫だろ。きっと仕事が長引いてるだけだぜ。」
「だといいんだけどな…」
学校が終わってから幼稚園に向かうまでの道で2人は話をしていた。
むしろ前より2人の中は深まり、週末には遊が寂しいだろうからと3人で出かけることもあった。
そしてそれから1週間後のことだった。
の家に承太郎から電話がかかってきた。しばらく遊の迎えに行けないという内容だった。この時承太郎は刑務所に入ることになり、祖父とその友人に説得され数日後ようやく出てきたのである。
は何も聞かず、黙って了承した。
しかし、3日ほど経っても承太郎は学校に来なかったため、は心配だったが、何か理由があるのだろうと思い、特に何もしなかった。
この時自身は気づいていなかったが、両親とも連絡がつかず、承太郎とも会えなくなり、精神が相当参っていた。
そしてその夜、1人で部屋で泣いてしまった。
そんなをアインガードは黙って出てきて抱きしめながら背中をさすっていた。