第8章 シンガポール
列車を降り、船に乗って移動した。
一度ホテルに泊まってからまた船に乗りインドへ向かうことになったのだ。
そのホテルまではまた船で移動し、一晩は船で過ごさなければならなかった。
ー船上での夜ー
は1人甲板に出て静かな海を眺めていた。
「…ねぇ、お父さん、お母さん、お兄ちゃん…無事なの…?」
答えのない疑問を口にして、ため息をつきながら手すりに項垂れた。
花「ため息なんてついて、どうしたんだい?」
後ろから花京院がやってきた。
「花京院、ううん、なんでもないよ」(ニコッ)
花「…。今夜は冷えるな。」
花京院は自分が着ていたカーディガンをの肩にかけた。
「ありがとう、でも大丈夫だよ、もう戻ろう」
はかけてもらったカーディガンを肩から外して花京院に返そうとした。
しかし花京院の手がそれを許さなかった。
花「。僕も君の力になりたいんだ。元気がない時や不安な時に無理をする必要はない。」
「花京院…」
花「何を不安に思っているんだい?」
「うん…」
は両親のこと、兄のこと、エジプトに行ったっきり連絡がつかないことを話した。
花「そうだったのか…それは確かに不安だな。両親たちはスタンド使いなのか?」
「ううん、私だけだよ。うちで使えるのは」
花「そうか…それでも不安になる気持ち僕はわかるな」
「え?」
は承太郎やポルナレフの時のように、それなら大丈夫と言われると思っていた。
花「スタンド使いじゃあないとはいえ、ディオにスタンド使いにされてしまってる場合もなくはない。それにもしかしたら本当に関係なくとも、巻き込まれてしまっている可能性もある。僕もなら絶対に大丈夫とは思えないだろう。たとえ他の人にそう言われたとしても。」
「花京院…ぐすっ…」
花「あ、すまないっ…泣かせるつもりは無かったんだ…不安を煽ってしまったようだな…」