第8章 シンガポール
花「そうか。ならいいんだが…」
承「おう」
花「はなぜエジプトと聞くと、少し悲しそうな顔をするんだい?」
承「…なんでだ」
花「僕がエジプト旅行をしていてディオに出会ったと話した時、まるで絶望したかのような顔をしていた。それにからあまり家族の話も聞かない。一体何があったのか教えてくれないかい?」
承「自分で聞け。俺の口から話していいことじゃあねぇぜ」
花「そうか、それもそうだな、すまない」
承「あぁ。…花京院。」
花「なんだい?」
承「なぜのことをそんなに知りたがる」
花「仲間のことを知りたいと思うのは変なことかな?」
承「…いいや」
花「そういうことだ」
花京院は思った。
確かになぜ自分はこんなにものことを知りたいのだろうか。
初めてスタンドを見える女の子に出会ったからだろうか。
花京院には分からなかった。
花京院が己の気持ちに気付くのはまだ先の話である。
翌朝一行はインド行きの船に乗るため列車に乗った。
席順はアブドゥルとジョセフ、その向かいにポルナレフ、承太郎と、その向かいに花京院というようになっていた。
ポルナレフは次に襲ってくるであろう右手の男、Jガイルについて思っていた。アンの姿はそこになかった。
ポ「そう言えばアンは?」
ジョ「出発間際まで駅にいたんだがなぁ」
ア「お父さんとの約束の時間が来たんで会いに行ったんでしょう」
ポ「どうもそれが嘘くせぇんだよなぁ。まあいなかったらいないでちょっと寂しいがな。な?ジョジョ」
承「ふん」
承太郎は笑った
「承太郎もなんだ」
花「しかし嫌な気分だな、僕そのものに化けるスタンドなんて」
「中身は全く化けられていなかったけどね、思い出すだけで虫唾が走るわ」
承「ホテルを出る時からすでに変身していたらしい」
花「僕は女性に無理やりそんなことしたりしないさ。ジョジョ、そのチェリー食べないのか?僕の好物なんだ、くれないか?」
花京院は承太郎の前にある皿に乗っているチェリーを指差して言った。
承「あぁ。」
花「サンキュー。レロレロレロ…」
承「うっ…」
「承太郎…」
は嫌だと言うように承太郎の学ランを引っ張った。
承「…やれやれ。」