第7章 海での災難
アインガードが出てきた。頭と胴体、そして片腕だけの姿で。また、が怪我していたところと同じところをアインガードも怪我していた。
「アインガード??どうしたの?それに、まだ回復していないの…?」
アインガード(以下ガード)「主を守れなかったこと、大変申し訳ありません。」
アインガードがしゃべり出し、皆目を大きく見開いて驚いていた。
もちろん自身も。
「!?話せるの…?」
ガード「本当に必要な時だけ、です。私の能力は主と、主の心、そして主の大切なものを守ること。守備に特化しているので、攻撃は点でできません。」
「なぜ、体が戻っていないの?私と同じ場所をケガしてるの?」
ガード「私はいわば主の分身であり、家来です。持ち物の私が怪我をしても主は怪我をしませんが、私の持ち主である主が怪我をすれば、私も同じ場所を怪我します。体が戻っていないのは、主の怪我を治したいからです。」
「怪我をしている理由はわかった。戻ってないのは、つまりどういうこと?」
ガード「怪我を治すにはエネルギーが必要です。私は自分の怪我よりも主の怪我を治したい。だから、私のエネルギーを分け与え、主の怪我を治します。」
そう言ってアインガードはの傷口に手をかざし、あっという間に治した。
「痛くない…動かせる…傷口もふさがって跡もない」
ガード「すぐに治せず、申し訳ありません。最低でも片腕がないと治せないので、ここまでの時間を要してしまいました。」
「要するに自分の怪我の治りを遅くする代わりに私の傷を治したってこと?」
ガード「はい。だから、これから私が全回復するには2日ほど時間がかかります。そのお許しを乞うために喋りました。これから2日ほどは主を守れません。どうかお許しください」
アインガードは上半身だけだが,深くお辞儀をした。
「ありがとう…アインガード。もちろん許すよ、アインガードもゆっくり休んで」
ガード「ありがとうございます。では。」
アインガードは消えていった。