第38章 花①2人の時間
そして現在、その帰路である。
遊「楽しかったねー!」
「ね!楽しかったね!」
花「遊は何が一番楽しかったんだ?」
遊「僕はね、コーヒーカップが楽しかった!ぐるぐる回すの楽しい!」
「楽しかったけど、遊すごい激しく回すから少し酔ったよ…」
花「僕も同意見だ…次は程々にな」
2人は苦笑いしながら言った。
遊「はーい」
花「は何が楽しかったんだ?」
「私はジェットコースターかな!」
遊「えー、そうかなぁ」
「遊怖くて少し泣きそうになってたでしょ」
遊「なってない!」
「なってたよ!ね、典明?」
遊「なってないもん!」
花「あはは、そうだな、なってないよな」
花京院は遊の頭を撫でながら言った。
「典明は優しいからなってないって言ってくれてるんだからね!」
遊「ほんとになってない!」
「はいはい、典明は?何が1番楽しかった?」
花「僕はお化け屋敷かな」
「え!?なんで!?」
花「んー、それは内緒だな」
花京院は唇に人差し指を当て悪戯っ子のような笑顔で言った。
遊「僕あれだけはもう行きたくない」
「うん、私も。怖い。なんであれが楽しかったの?教えてよー」
花「だめ、内緒だ」
花(別に言うのは構わないが、おばけが怖くてしがみついてくるが可愛かったからなんて言ったら恥ずかしがってきっともう一緒に入ってくれなくなるからな)
「ちぇー、典明のケチ」
花「そうだ、今日母さんが一緒に夕飯をどうかと言っていたんだが、どうだ?」
遊「あ、話逸らした」
「確かにこれから夕飯の準備するのは大変だけど…悪いよ…」
花「遠慮するな、きっともう母さんはと遊の分も準備してる」
「え、そうなの?」
花「あぁ」
遊「僕、みんなでご飯食べたい」
花「遊もこう言ってることだし」
「じゃあ今日はお言葉に甘えようかな」
こうしてたちは花京院家で夕飯をご馳走になった。