第38章 花①2人の時間
承「返せる時になったら返せばいい。無理に早く返せとは言わねえってことだ」
「ありがとうございます…」
ホ「私も遊くんを預かってほしいときはいつでも預かるわ、花京院くんも連れて一緒にご飯も食べに来てちょうだいね」
「ホリィさん…」
花「僕のこともいつでも頼ってほしい、のためなら僕は何だってするよ」
「典明…。みなさん、本当にありがとうございます…私、恵まれてるな…」
花、承、ジョ、ホ「「「「あっ…」」」」
皆驚いた。両親と兄弟を亡くし、思い出のある家を売り、幼い弟の面倒を見る。側から見たらなんとも不憫な境遇に、自分は恵まれていると感謝できていたから。
こうしてと遊は周りの人達に助けてもらいながら、2人でのアパート暮らしを始めた。
少し経ってから、ポルナレフも呼んで、空条家で遊の遅めの誕生日会も開いた。
ーある日の休日ー
ピンポーン
「あ、典明だ!はーい!」
遊「来たね!」
ガチャッ
花「やぁ、迎えにきたよ」
と遊が玄関を開けるといつもの制服姿の花京院ではなく、緑色のシャツを腕まくりして、長い足によく似合う黒のスラックスを履いた花京院の姿があった。
「また時間ぴったりだね!」
遊「僕ももう準備出来てるよ!」
花「遊もちゃんと間に合って偉いな。それじゃあ行こうか」
遊を真ん中に、3人は手を繋いで歩き出した。
休日に遊びに行く時はホリィに遊を任せるか、のアパートで3人で過ごすことが多いのだが、この日は3人で遊園地に行ったのだった。