第37章 花①遥かなる旅路
アインガードはを抱えると助走をつけ、差し出されたジョセフの手に足を乗せバネの代わりにし、思い切り蹴り上げた。
花(5時15分…日本は今、夜の12時ごろか…父さんと母さんは何をしているのだろう…心配かけてすみません…)
ドンッ!!
「あたた…よくやったね、アインガード。花京院、今治してあげるからね、まだ死んじゃダメだよ、気をしっかり持って、アインガード」
はアインガードにすぐさま花京院を治させた。
花(あ…あぁ……こんなに早くここまで来れるはずがない…幻覚だな…やはり僕は…死ぬのか…)
「幻覚なんかじゃあないからね!私がきたから、もう大丈夫だから。絶対に死なせないから。アインガード、早く治して」
は泣くこともせず、険しい顔で言った。
アインガードも全力を尽くしていた。
しかし、花京院の傷が深過ぎてそんなすぐには治らないのだ。
花(…君にはいつでも笑顔でいて欲しい…そんな顔君には似合わないのにな…)
「花京院…声も出せないのね…」
は見て気づいた。花京院の容態が非常に悪く、体を動かしたくても動かせない、声も出したくても出せないことを。そしてそれに気がついた時、ようやく涙を浮かべた。
花(…泣かないでくれ…僕のハイエロファントの結界は、触れるものが手に取るようにわかる…だが今…結界はディオによって全部一度に同時に切断された…なぜ1本1本ではなく…少しの時間差もなく… 1万分の1秒の差もなく…半径20メートルの結界は同時に切断されたのか…?なぜ…?少しの時間差もなく…なぜ同時に…?なぜ…?)
花京院はに申し訳ないと思いながらも先ほどの出来事を思い返した。
ジョ「頼む…!!はっ!」
ジョセフは花京院の方を見ていたが異様な空気を察し、振り返った。
デ「ジョセフ、次はお前だ。このジョナサンの肉体が完璧に馴染むには、やはりジョースターの血が1番しっくりいくと思わんか?」
ジョ「ディオ!」