第34章 花①出会い
「ペットショップ、これからよろしくね」
が頭を撫でようとすると今度はペットショップの方から手に頭を擦り寄せてきた。
「ふふ」
デ「そろそろ戻れ」
「また会えます?」
は不安そうな顔でディオの方を見上げた。
ドクンッ
デ「…あぁ、門を出なければ外に出てもいいだろう。しかしその時は私に報告するように」
するとの顔がパァッと明るくなった。
「はい!わかりました!ありがとうございます!ディオ様!じゃあまたね、ペットショップ」
ペットショップは瞬く間に部屋の外へと出ていった。
デ「、アインガードを出してくれないか?」
「あ、はい!」
は昨日やったようにアインガードでディオにエネルギーをわけた。
デ「うん、やはり力がみなぎるな」
「ディオ様」
デ「なんだ」
「一つ質問してもよろしいですか?」
デ「かまわん」
「ディオ様はお外に出たいと思ったことはないんですか?」
デ「思わん、夜に外に出るのも昼に外に出るのも変わらないからな」
「そうなんですね…」
は寂しそうに眉根を下げた。
デ「なぜだ」
「いえ…私はディオ様とお日様の下でお散歩とかできたらなと思ったから…でも確かにディオ様の言う通り、夜でも昼でも変わらないですよね!」
悲しそうに笑いながら言うその言葉は、まるで自分に言い聞かせているかのようだった。
デ「いつか…な」
「え?」
デ「もしいつか日の下を歩ける時が来たらその時はお前を誘おう」
「本当ですか!?」
デ「あぁ」
「嬉しいです!ありがとうございます!」
デ「では私は部屋へ戻る」
バタン
ディオはの顔も見ず、返事も待たずに部屋を出た。
デ(このディオがの顔を見てドキッとするだと?いいや何かの間違いだ。このディオが愛だの恋だの、そんなものに惑わされるはずがない。きっと、いや絶対に気のせいだ。)
ディオは初めて感じる自分の気持ちに戸惑っていたのだった。