第34章 花①出会い
「来た道分からなくなっちゃった…」
は苦笑いをしながら言うと、ハヤブサは少し呆れ顔での方へ歩いてくると、自分のスカーフをの手に握らせた。
「え?握れって?もしかして案内してくれるの?」
そしてがスカーフを握って立つとそのまま部屋まで案内してくれた。
「ありがとう、優しいんだね」
床に立つハヤブサの頭をまた指先で撫でた。
ガチャッ
デ「なんだ部屋にいたのか。ん?なぜペットショップがここにいる。貴様見張りはどうしたのだ。誰がサボってここへきていいと言った」
ディオがハヤブサに詰め寄ろうとした。
「あのっ、ディオ様、どうかこの子をそんなに責めないであげてください、道がわからなくなった私のことを部屋まで案内してくれただけなんです」
はハヤブサとディオの間に入って言った。
デ「道がわからなくなった?ペットショップに案内してもらった?決して外へ出るなと言ったのに、貴様はそれを破ったのか?そしてそれを見逃したのか?ペットショップは」
「ち、違うんです、館の中を散策していたら、出口のようなところから陽の光が入ってきていて、それでお外の空気を少し吸いたい、光を少し浴びたいと思ってそっちの方に向かっていったら、この子がそれを止めたんです…館の外には出ようとしました…それは本当にごめんなさい…でも決して敷地より外には出ようなんて思ってなかったですし、この子も仕事をしなかったわけじゃあないんです…だからもし何か罰があるなら私にだけでお願いします…」
はディオに頭を下げながら言った。
デ「なるほど。がそう言うなら信じよう。」
「ほ、本当ですか…?」
デ「あぁ、ペットショップもお前に懐いているようだしな」
「ありがとうございます…本当に…。そうなんですか?」
デ「この私以外に触らせている姿など見たことがない」
「え?そうなの?」
ハヤブサは相変わらずツンとしていたが、表情は柔らかだった。
「名前、ペットショップって言うんですか?」
デ「そうだ」