第33章 花①エジプト
花「そろそろ朝食が運ばれてくる時間だ、見られてしまったら困るからね、そろそろお互いのベッドに戻ろう」
「私見られてもいいよ」
花「僕もこの光景を見られるのは別に構わないが、その時のの表情を見られるのが嫌なんだ」
「そうなの?どうして?」
花「どうしてって、キスをしている時のは一際可愛いからに決まっているだろう」
「なっ…花京院、見えてるの…」
花「いいや?だがそうに決まっている。だから今はもう戻ろう、ね?」
「分かった…」
は顔を赤くしながら自分のベッドに戻った。
するとタイミングを見計らっていたかのように、朝食が2人の元へ運ばれてきた。
朝食を食べ終えたあと、2人はいつも通りの1日を過ごした。
そしてその日の夜、は花京院に呼ばれたので、ベットで座る花京院の横に腰掛けた。
「なに?花京院」
花「せっかくの気持ちが分かったというのに、今日もリハビリなどで忙しかったからね、少し寝る前に話をしたいなと思って」
2人は早く戦線復帰するため、リハビリを毎日行なっていた。
「同じ部屋にいてカーテンで仕切られてるだけだし、話ならお互いのベッドにいてもできるよ?」
花「それじゃあダメだろう」
ギュッ
花京院が横にいたを後ろから抱きしめた。
「あっ…」
花「ただの話なら出来るかもしれないが、こんな風には出来ないだろう?」
「そ、そうだね…たしかに…」
は嬉しいけど恥ずかしくてたじろいでしまった。
花「朝はものすごい勢いで僕口づけして来たのに、なんだって今はしおらしいじゃあないか、もしかしてこうされるのは嫌いなのか?」
「ち、ちがっ…!」
は花京院の方を振り向くと思った以上に顔が近くにあってドキッとした。
そんなの様子が分かり、花京院は目が見えないのをいいことに顔をさらにズイッと近づけた。
花「好きなのか?ならなぜ朝の様子と違う?まさか本当はが想っているのは承太郎なのか…?」
花京院の眉が下がるのがには分かった。