第33章 花①エジプト
は残された部屋で考えた。
(承太郎…ありがとう承太郎、気持ちは嬉しい…だけど…多分私は…)
ガラッ
花「ありがとうございます」
花京院が看護婦の手を借りながら入ってきた。
看護婦「いいんですよ、いつでもおっしゃってくださいね」
看護婦はそういうと部屋を出ていった。
花「承太郎とはちゃんと話はできたのかい?」
花京院は手探りで自分のベッドの方へ歩いた。
「うん…花京院、手」
はベッドから降りて花京院の手を取った。
花「ありがとう、」
が花京院の手を引いてベッドへ誘導しているとがベッドの足に引っかかってしまった。
「あっ!!!」
花「!」
普段の花京院なら倒れる前にを支えられたが、今は目が見えないため、花京院がを押し倒すような形でベッドに倒れ込んでしまった。
「ごめん!花京院!大丈…夫…」
花「僕は大丈夫だ、こそ怪我は…こ…これは…もしかして…」
2人は自分達の状況に気づき、たじろいだ。
花「す、すまない、すぐによける」
花京院は急いでの上から退こうとしたが、がそれを許さなかった。
「か、花京院は目が見えないんだから…そんな急に動いたりしたら危ないよ…」
は語尾が小さくなりながらもそう言って、逆に花京院を押し倒すような形に姿勢を変えた。
花「…」
「ど、退くね…」
花「あ、あぁ…」
は花京院から退いた。
2人は気まずい空気のまま、お互いのベッドに戻った。
花(仕方がないとは言え、あれは結構来るものがあった…もう少しが退くのが遅かったら僕は何をしていたか分からないな…が答えを出すまで待つと決めたんだ、もう少し用心しなければ…)
(す、すごい近かった…あれ以上長い時間あの距離だったら…私、自分からキスしてしまっていたかもしれない…でも、答えを出す前にそんなことするのは卑怯だよね…早く答えを出さないと…)