第32章 花①紅海
ポ「い、いや,俺はなーんも言って…」
「ふーん、私には、かわいこちゃんと乗りたかったなぁ、って聞こえたんだけど?」
ポ「そ、それは…」
「私が可愛くないって言いたいの!?もうポルナレフ嫌い!あの時庇ってやるんじゃあなかった!!」
ポ「ち、ちげぇよ…お前は妹みたいなものだからよ…」
「土くれのほうばっか見て、私の言葉には少しも耳を傾けなかったくせに?妹ねぇ」
ポ「ご、ごめんて…」
そのやりとりを皆周りで見ていた。
ア「相変わらずだな」
ジョ「これでますます許してもらえなくなったな」
承「自業自得だ」
花「より可愛い女の子なんて他にいないだろう」
ア、ジョ、承「「「!?」」」
3人は花京院の方を驚いた表情で振り向いた。
花「ん?なにか?承太郎もそう思うだろ?」
承「…さぁな」
しばらくするとようやく皆落ち着きを取り戻した。
ポルナレフはソナーを見ると不思議そうに言った。
ポ「お?なにそれ?」
ジョ「ソナーだ。音波の跳ね返りでレーダーみたいに水中の物体を確かめる」
「イルカみたいなこと?」
花「あぁ、そうだ。よく知っているな」
「動物すごく好きなの」
花「そうなのか、知らなかったな」
ア「異常なし。接近してくるものはありません」
ジョ「これなら四方八方360度、どこから襲ってこようと探知できる」
ポ「おおっ!」
「なるほどね…」
承「だがもし、この中で襲われでもしたら逃げ場はねぇな。ここは何しろ、海底60メートルだ」
「そんな怖いこと言わないでよ承太郎…」
は承太郎の隣に座って言った。
承「もしもの話だ」
「まぁそうだけどさ…」
花「へぇ、さすが金持ちの道楽用の船だな。冷蔵庫にコーヒーメーカー、それに、最新の衛星電話までそろっているぞ」
ポ「へぇ」
ジョ「うん?」
「電話?」
ジョセフとは電話を見つめた。
ポルナレフとアブドゥルが花京院に飲み物を取るよう頼むとジョセフが電話の前に立ち始めた。