第29章 花①メサイア
承(間に合ってよかった…しかし、を救ったのは花京院だ…同じ部屋にいたから当然といえば当然なのだろうが、が家族のことで悩んでいた時にもの心に寄り添ってやれていたのは花京院だった…俺では…俺ではのことを救ってやることはできないのかもしれない…)
承太郎も何か嫌な予感がして目が覚めた。そこでの部屋を訪ねた時、花京院と同じようにエレベーターに気づき、追いかけたのだ。しかし花京院より一歩遅かったのだ。
この時承太郎は、自分は2人をそっと見守ることを誓って自分の部屋へと戻っていった。
花「、立てるかい?」
花京院が立ち上がり、手を差しだした。
「うん…」
も花京院の手を取り、立ち上がった。
花「部屋に戻ろう」
「うん…」
花京院はを連れて自分の部屋へと向かった。
「花京院、私の部屋こっちじゃあないよ?」
花「僕たちのところで寝た方がいい。1人だとまたやられるかもしれない」
「でもベッドは2つしかないからまた…」
花「また僕が床で寝て、はベッドを使うといい」
「そんな…」
花「使うんだ。着いたぞ。中に入ったらポルナレフが寝てるから、静かに、ね」
花京院がの唇に人差し指を当てながら話した。
そして花京院が部屋のドアを開けようとしたとき
グイッ
花「ん?」
花京院は腕を引っ張られる感じがした。
「……」
は花京院の腕を引っ張ったままうつむいていた。
花「どうしたんだ?」
「…一緒に…一緒に寝よう…?」
は顔を上げて言った。
は自分が床で寝ると言おうかと思ったが、それは絶対に止められると分かっていた。そこで考えた結果、出た言葉だった。
花「!?」
「…いや…?」
花「いやじゃあないが…」
「花京院だって、人一倍気を張ってるのに、床でなんて寝てほしくないよ…私が床に寝るって言ってもさせてくれないんだろうし…私も部屋に1人戻るのは怖いし…だから、ね…?」
花「…うーん…今回だけだからな?」
「…うん…」