第29章 花①メサイア
ちょうど時計の針が8時を差した時だった。
コンコンッ
「はい?」
花「僕だ、大丈夫かい?」
承「…」
「あ、今行くね!」
ガチャッ、フワッ
「本当にピッタリに来るんだね」
花「っ……う、うん」
承「…」
からお風呂上がりだからかいつも以上に良い香りがして、花京院は戸惑ってしまった。承太郎も内心は花京院と同じだったがいつものポーカーフェイスを貫いた。
「花京院…?どうかした?大丈夫?」
花「あ、い、いや、なんでもないんだ、気にしないでくれ」
「ふーん…なんのゲームするの?ババ抜き?」
花「それは4人でしたんじゃあつまらないだろう…」
承「ポーカーはどうだ?」
3人は他愛無い話をしながら花京院の部屋へと向かった。
花京院達の部屋に着くと、ポルナレフが既にトランプ片手に待っていた。
ポ「お、来たか」
「早速トランプ片手にして、そんなにやりたかったの?ポルナレフ」
ポ「なっ…そんなんじゃあないよなぁ?花京院、承太郎」
花「何を言っているんですか。どうしてもやりたいと言ったのはあなたでしょう?ポルナレフ」
承「花京院の言う通りだ」
ポ「て、てめぇら…」
花「なにか?」
承「ふんっ」
ポルナレフが花京院と承太郎のことを睨んでいた。
「???どうしたの?やろ?」
花「そうだな、ポルナレフ、早くカードを配ってくれ」
ポ「いいけど、まず何をするんだ?」
花「そうだな…、何かやりたいのはあるかい?」
「んー…私ババ抜きしか分からないよ」
花「ババ抜きはもっと人数がいた方が面白い」
承「ポーカーは」
「承太郎に絶対勝てないから嫌だってさっきも言ったよ?」
承「…」
花「承太郎にポーカーで勝つのは確かに無理がありそうだな…そしたらそうだなぁ…じじ抜きはどうだい?」
ポ「おお、いいじゃあねぇか」
承「いいだろう」
「じじ抜き…?」