第4章 旅立ち
ア「ジョースターさん分かりました。あのハエの正体が。これです。」
アブドゥルが図鑑を指差した先には、ナイル・ウエウエ・バエと書いてあった。このハエはエジプトのナイル川流域にのみ生息するハエである。
ジョ「エジプト…」
ア「はい、それもアスワン付近に限定されます。ディオはそこにいる」
は唇を噛み締め拳を握りしめた。その様子を見た承太郎はそっと自分の手でのきつく握った手を包み込んだ。
花「やはりエジプトか」
いつからいたのか花京院が部屋の前に立っていた。
皆が花京院の方を振り向いた。
花「私が脳に肉の芽を埋め込まれたのは、3ヶ月前、家族とエジプトナイル旅行をしている時」
「そんな…」
ア「お前もエジプト。ディオはなぜかエジプトから動きたくないらしいな」
花「いつ出発する?私も同行する。」
皆がその言葉に驚いた。
承「同行するだと?なぜお前が」
花「そこんところだが、私にもよく分からないんだがね」
承「けっ」
花「お前のおかげで目が覚めた。ただそれだけさ」
「私も行く」
のその言葉に皆は花京院がついていくと言った時よりもっと驚いた。
承「何を言ってる?」
「私も行く」
承「だめだ。」
「行く」
承「遊はどうする。まだ幼いのに1人日本に残す気か」
「遊なら分かってくれる。それに、遊だって分かってる。あの子は人のことをよく見てる。周りをよく見て、困らせないようにしてくれてる。だから今回だって、お母さんたちにきっと何かあったって遊は勘づいているはず」
遊「やっぱりお母さんたちに何かあったんだね」
またもや皆驚いて部屋の入り口を振り返った。
いつのまにか遊が起きて来ていたのだ。
「遊…まだ分からない、そうと決まったわけじゃあない。だけど、もしかしたらそうかもしれない」
遊「話を聞いていても僕には何がなんなのかまだよく分からないけど、悪いことが起こっているのはわかるよ。それを解決するために承太郎兄ちゃん達と一緒に行くってお姉ちゃんは言ってるんだよね。」