第28章 承①2人の時間
ー翌日の夜ー
遊「お姉ちゃん」
「ん?」
遊「僕決めた。お姉ちゃんと承太郎兄ちゃんについていく。一緒にアメリカに行くよ」
「え??本当に??」
遊「うん、行く」
「ここを離れるんだよ?友達とも会えないんだよ?」
遊「お姉ちゃんも承太郎兄ちゃんもいるから平気だよ。それに…それに離れたくらいで縁が切れるようじゃそれは友達じゃあないから」
「遊…」
遊「でしょ?お姉ちゃん」
「そうだね…離れていても友情は変わらない」
遊「だから、行く。お姉ちゃん、結婚おめでとう」
「遊…ありがとう…」
姉弟は涙を流しながら抱き合った。
次の日の晩、は承太郎の車に乗ると話をした。
承「どこかに行くか?」
「そうだな…少しドライブしたいな」
承「わかった」
承太郎はそういうと車を発進させた。
しばらく車を走らせたところで、が承太郎に話しかけた。
「承太郎…こないだの返事なんだけどね…」
承「おう」
「よろしくお願いします」
承「!?」
キキーッ!!
承太郎は驚いてしまい、赤信号に気づかなかったため、急ブレーキしてしまった。
承太郎は咄嗟に片腕をの前に出した。
「!?ちょっと!どうしたの!?危ないじゃん!」
承「す…すまねぇ…ちょいと驚いたもんでな、ところでさっき、結婚を承諾したか?」
「うん、遊が私についてきてくれる決心をしたから。私からも承太郎の奥さんにしてください。よろしくお願いします」
承「あぁ、こちらこそ、だぜ」
承太郎はの頭に手を添えてキスをした。
ファーーーー
後ろの車からクラクションを鳴らされると2人はようやく唇を離した。
「ふふっ、帰ろっか」
承「だな」
この日は遊も承太郎に会いたがっていたので、承太郎はの家に泊まっていった。