第28章 承①2人の時間
ジョ「うーむ…そうじゃな、確かにいい考えかもしれん。はどうじゃ?」
「そ、そんな…悪いです…」
ホ「ちゃん、私からのお願いよ。承太郎のためにも、ここにいてくれないかしら?承太郎、ちゃんには素直になるし、ちゃんが1人で離れて暮らすなんて心配で気が気じゃないと思うの。それに、ちゃんはもう私たちの家族同然よ。自分の娘を高校生のうちから幼い弟を連れて1人で暮らすなんて、心配じゃない人なんていないわ」
「ホリィさん…」
ホ「だからここで一緒に暮らしてくれないかしら?」
「くっ…ぐすっ…ぐすっ…ありがとう…ございます…ぐすっ…」
は正直心底不安だった。帰ってきたところで遊と2人どうしていけばいいのか。たった1人で遊の面倒全てを見ることができるのだろうか、と。1人じゃない。そう感じて安堵の涙が止まらなかった。
承「言ったろ、は1人じゃあない。金の問題も心配しなくていい。なぁ、ジジイ」
ジョ「うん、スピードワゴン財団に遊が大学が終わるまで、援助をしてもらえるよう、わしから頼もう」
「そ、そんなところまで!?さすがにそれは…私ももう少しで卒業ですし、自分で働けるようになったら私が遊の面倒を見ます。金銭面も。」
ジョ「そうか…そこまで言うなら、が大学卒業までは援助してもらえるようにしよう」
「必ず返します」
ジョ「援助なんだ、返さなくていい」
「ダメです」
承「返せる時になったら返せばいい。無理に早く返せとは言わねえってことだ」
「ありがとうございます…私、恵まれてるな…」
承、ジョ、ホ「「「あっ…」」」
皆驚いた。両親と兄弟を亡くし、思い出のある家を売り、幼い弟の面倒を見る。側から見たらなんとも不憫な境遇に、自分は恵まれていると感謝できていたから。
こうしてと遊は承太郎の家に一緒に住むことになり、は家を売ったお金を全てホリィに渡した。
少し経ってから、ポルナレフも呼んで、遊の遅めの誕生日会も開いた。