第24章 承①アトゥム神・ヴァニラアイス
承「別にを意気地なしだとか、腰抜けだとかそんな風に思って言っているんじゃあない。もしここで戦線離脱したとしても、誰もそんな風には思わねぇ。むしろよくここまで頑張ってくれた。ありがとよ」
承太郎はのことを想って言った。しかし承太郎は承太郎で、にここで抜けると言ってほしいと思っていた。
ここからはを守る余裕があるとは言い難い。
愛する者が傷つく姿を、死ぬところを誰も見たくはない。生きていて欲しいと思うものだ。承太郎だってもちろんそうだった。
「行くよ、確かに怖い。本当に怖い。今までに感じたことないくらいの恐怖を、悪寒を、感じてるよ。でも、私だって、自分の手で家族にされた屈辱を晴らしたい。ホリィさんを助ける手助けがしたい。それに、私はこの戦いの結果がどうなろうと、承太郎のそばにいたいよ。最期まで、承太郎のそばにいたい。」
承「あ…」
「だから…私も行く、ここで抜けたり逃げたり、しないよ。私は1人じゃあない。この恐怖に打ち勝てる。」
の震えが完全に止まったわけではなかったが、ある程度落ち着きも前へと歩き出した。
承太郎はの後ろ姿を見ながら言い、を呼んだ。
承「やれやれ…俺もだ、。早いとこ終わらせて一緒に帰ろう。…」
「ん?……あ…」
チュ……
が振り返ると承太郎がキスをしてきた。
深くはないが、長かった。
一同「!?」
「み、みんないるよ…?」
承「構わん。もしかしたら最後かもしれんからな」
「そんなことない、絶対に生きて帰る」
承「そうだな」
一同は扉の中を覗いた。
ポ「おい…見ろよこの廊下…終わりが見えねぇぜ…本物じゃあねぇよな?トリックか幻覚だよな…?」
ジョ「ポルナレフ、ドアの中に飛び込むなよ、ディオの前にスタンド使いが1人や2人いるはずだ」
すると向こうから誰かがやってきた。
ポ「あっ…!なんだ!何か来るぞ!なんだこいつは!?スタンド使いか!」
一同「くっ…」