第22章 承①エンペラーとトト神
(どうしてホリィさんがこんな目に…でも…承太郎はきっともっとディオに腹がたっているはず、だって自分の実の母親がこんなにも苦しめられているんだから…)
「あっ…」
が承太郎を見ると、拳をわなわなと震わせていた。
はそっと承太郎の拳を自分の手で包み込んだ。承太郎が自分にいつもしてくれていたように。
承太郎はの方を振り向いた。
承「…」
(大丈夫、承太郎。承太郎は1人じゃあないよ。私たちがいる。みんなで倒そう。ディオを)
承太郎はフッと笑っての手を解き、握り返した。
「!?」
は赤くなって俯いた。
ア「行きましょう、聞き込みを続ければ、必ず」
ジョ「うむ、行くぞ、聞き込みを続けよう」
そして移動をし始める間際に承太郎はに呟いた。
承「ありがとよ」
承太郎は手を離し、そのまま歩いて行った。
「…ふふ、どういたしまして」
は1人呟き、皆の後を追いかけた。
しばらく歩いていると、またポルナレフがいなくなっていた。
「あれポルナレフは?」
ジョ「んん?あぁ、ポルナレフのやつまたどこかに行ったのか」
「問題児ですね」
ア「さっき尾行しているやつがいるとか言ってあの壁を曲がっていたような気がしたが…」
アブドゥルが来た道の壁を指して言った。
承「戻るか」
4人は踵を返した。
ア「どうした?ポルナレフ、返事がないが」
承「妙だな…」
「問題児のポルナレフー?」
ジョ「ポルナレフ、尾行しているやつはいたのか?」
ア「返事をしろ」
一向にポルナレフが返事をしない。
ジョ「おい、聞こえているのかポルナレフ」
ア「おい、ポルナレフ」
4人が角を曲がるとポルナレフが腕を組んで立っていた。
ア「なんだそこにいるんじゃあないか、どうした?尾行者はやはりいたのか?」
ポルナレフは妙な表情をして返事をした。
ポ「あっ、あぁ…」
「なにそれ?」
は怪訝そうな顔で聞いた。
ア「ポルナレフ、どうかしたのか?」
ポ「いや…」