第22章 承①エンペラーとトト神
まずは町に出て、大工をやってる人に聞き込みをした。
大工「写真に写ってる建物ねぇ、わしゃ40年もこのカイロで屋根の修理しとるけど、知らんねぇ、この館は。でも建物の雰囲気だと立てられたのは100年以上前だにゃ」
「にゃ?」
承「!?」
承太郎だけでなく皆の方を勢いよく振り返った。
「な、なに??今そう言ったから…」
承「…外でそんな口聞くんじゃあねぇぜ」
承(やれやれ、花京院がいないだけまだ良かったが、他の男に聞かれたくない言葉だな今のは)
大工「ここから南の方を探していけばいずれ見つかるよ、カイロは南の方ほど古い建物になっているんじゃ」
ポ「へぇ」
大工「参考にならなくて悪かったね」
ポ「いや、ありがとよ、邪魔したな」
「また有力な情報なしか…」
ア「そう簡単に見つかるようなところにいるやつでもあるまい」
「そうですよねぇ…」
ア「しかし最近は最初に比べてよく敵のことを分かるようになってきたな」
「え、本当ですか!?うれしい」
ポ「え、そうなのか?」
ア「先ほどのダービーのイカサマもがよく見抜いていた」
「あんま戦力にはなれないけど、やっと見る目くらいはついてきたんだ、私」
の周りには音符が見えるのではないかというほど上機嫌だった。
しかし承太郎は複雑な気持ちだった。の純粋な心が、だんだんと汚されてしまっているような気がしたから。
承「…」
ジョ「…」
一向は歩いている途中で電話を見つけたので、ジョセフがかけた。
ジョ「そうか、分かった、ありがとう」
ジョセフは電話を切って皆の元に戻ってきた。
ジョ「日本へ電話してみたが、娘の容体が悪化した。体力がもう限界らしい。3〜4日の命ということだ」
皆黙り込んでしまった。
ジョ「感じるんじゃ、ディオはこの近くだ。この近くに潜んでいる感覚がする。絶対いる。この近くに」
は怒りを感じていた。