第19章 承①アヌビス神とバステト女神
そして、遺跡のようなところで刀を握っているポルナレフを発見した。
承「おい、ポルナレフ、そこにいたのか」
ジョ「1人でいなくなるから心配したぞ、敵に襲われたらどうする?」
イ「わんわん!わんわん!」
ポ「ああ、うっ、ああ…」
ポルナレフは頭を押さえながら呟いた。
「ポルナレフ?大丈夫?」
ポ「え?あっ、ああ…たちか…」
ポルナレフは刀を置き、うずくまった。
その間イギーはずっと唸っていた。
「大丈夫?イギーもそんなに唸ってどうしたの?」
ジョ「うずくまってどうした?うんちでも踏んだか?」
承「ああ?」
ア「刀を持っているな、何かあったのか?」
ポ「ああ、たった今クソったれの敵に襲われたのさ」
ジョ「なにっ?敵だと?」
皆辺りを警戒した。
ポ「もう終わったがな」
皆が周りを見渡すと崩れた柱の近くに倒れている男の姿があった。
ポ「アヌビス神の暗示のスタンド使い、と言ってたぜ。剣の達人で、物体をすり抜けて物を切断できるスタンド使いだった。強敵だったぜ」
「当然俺様ほどじゃないという確固たる自信の気持ちはあるがね、とか思ってる?」
ポ「まあな、この剣でやつは襲ってき…あれっ、ない」
ポルナレフが剣を置いた方を見ると、なんとネズミが持っていっていた。
ポ「ネズミだ!ネズミが剣を持って行こうとしてるぞ!コラァ!!」
怒鳴るとネズミは散り散りになった。
「…?」
ポ「まったく気色悪いぜ、手癖の悪いネズミが住んでんのか、ここは。どうせならチーズを盗め、チーズを。くっ…」
剣を抜こうとすると力を込めても抜けなかった。
ポ「ううっ…おかしいな…今度は固くて剣が抜けなくなったぜ」
ジョ「ポルナレフ、助かったからよかったが、必ず2人以上で行動するんだ、気をつけろ!」
ア「ほんの数分、1人になったところを襲ってくる奴らだからな」
ポ「あっ、ああ…」
すると船の汽笛が聞こえた。
ジョ「あっ、いかん!あれはわしらの船の汽笛じゃ!急いで戻るぞ、今日中にエドフまで行くのだ」
皆急いで船へと向かった。