第17章 承①エジプト
「………え?…えぇ!?」
承「好きなのか」
「いや、ちが、いや、違くないけど…違うけど、違くないけど…」
承「うん?」
「仲間としては確実に好きだけど…分からない…」
承「そうか…」
「ん?」
は承太郎に名前を呼ばれたので承太郎の方を見た。
するとなんと
チュ……
承太郎は目を閉じ、の両頬に手を添えてキスをしてきた。
「……!?!!!?」
イ「!?!!!?」
承太郎はから唇を離し、顔を見た。
「な…なにを…」
承「俺は、、お前が好きだ」
「え……え…??」
承「は自分が誰を好きなのか分かっていないようだが言っておく、俺はお前が好きだ。別に答えを急げとは言わない。自身の気持ちがハッキリするまで、俺はいくらでも待つ。ただ俺の気持ちは分かっておいてくれ。じゃあ俺はもう行く」
は放心状態で黙ったままコクコクと頷いた。
承「それと、あんま風呂上がりの格好で男を部屋に入れるもんじゃあないぜ、気をつけろよ」
バタン
承太郎はそう言うと部屋を出ていった。
承太郎はの部屋のドアに寄っかかり、呟いた。
承「…やれやれだぜ、あんなことをするつもりも、言うつもりも無かったんだがな…あんな姿を見せられたら…はぁ…」
承太郎はの風呂上がりで濡れた髪、上気した頬、それで浮かべる儚げな表情を思い出し、珍しくため息をつきながら自分の部屋へと戻って行った。
その頃は、部屋の中で未だ放心状態だった。
「…じょ、承太郎が…私を好き…?」
は自分の唇に触れながら呟いた。
承「花京院が好きなのか?」
承太郎のその言葉を思い出しながら、は考えた。
(私は花京院が好き…?それとも承太郎が好き…?私が好きなのは誰なの…)
は自分の気持ちについてもう一度よく考えなければならなくなったのだった。