第17章 承①エジプト
「な…なに…」
承「質問に答えろ。何をそんなに思い詰めている」
「……言いたくない…」
は顔を俯かせたかったが、承太郎の手がそれを阻むので目だけを伏せた。
承「…俺はそんなに頼りねぇか?」
「えっ…」
は思わず承太郎の目を見た。
すると承太郎は見たことないほど悲しい表情をしていた。
承「俺はに信頼されていると思っていたんだが、そうでもなかったのか?それとも俺が頼りないからか?」
「ち、違う!!そんなんじゃ…」
承「ならなぜだ、なぜ、言ってくれない」
「…もう、思い詰めてはないよ、確かにおじいちゃんに言われるまでは思い詰めてたけど…」
承「じゃあなぜ今落ち込んでいる」
「そりゃ落ち込むよ…おじいちゃんの言う通り、自分のスタンド責めるなんて、アインガードに失礼だったなって…反省してるの…」
承「そうか」
「そうだよ……離して」
は承太郎の手を外すとベッドに座った。
承「アインガードはの優しさから出来ているスタンドだ。確かに自我を持っているが、その想いを知っていて怒るようなスタンドじゃあない。元気を出せ」
承太郎もの隣に座った。
「うん…そうだね…。…でも、でももし花京院が失明したらどうしよう…」
承「花京院もそのくらいの覚悟を持ってこの旅をしている。が思い悩むようなことはねぇ」
「そうだね…」
承「…」
「…」
2人の間に沈黙が流れた。
承太郎は悩んでいた。ずっと気になっていたことを聞くか、聞くまいか。
承太郎は意を決して聞くことにした。
承「…」
「んー?」
承「…」
だがやはりなかなか言い出しづらいものがあった。
「なに?承太郎。どうしたの?」
承「…は…は」
「うん」
承「花京院が好きなのか?」