第2章 幼馴染
中に入ると夕飯が既に用意されていて、ジョセフもアブドゥルも一緒にみんなで食卓を囲んで食べた。遊は両親が日本を発ってから1番の笑顔で食べていた。
夕飯も終わり、はホリィに1番に風呂に入っていいという風に言ってくれた。一度断ったがホリィにお願いと言われ、言葉に甘えた。遊はジョセフと入ると言ったので、久しぶりに1人で入った。
風呂では1人泣いた。空条家の暖かさに、久しぶりに触れた家族の暖かさに、泣いた。
それに寂しいのは自分だけじゃあない。遊だって寂しいのだ。まだ子供なのだから自分よりも寂しいはずなのだ。それに気付けなかった。悔しさと申し訳なさに泣いた。そしてアインガードがまた背中をさすってくれていた。
承太郎以外の全員が風呂を終え、ジョセフとアブドゥルが遊と遊んでくれていた。その様子を他の3人は見守っていた。ホリィは微笑ましいと思いながら、承太郎はは休むことができたのかと思いながら、は遊が可哀想だと思いながら。
はまた涙が浮かんできてしまい、トイレに行くと言ってその場を離れた。
は1人居間を出ると、トイレに向かう途中の廊下で座り込み、耐えられずに泣いてしまった。
「…ひっ…ひっ…どうして音沙汰ないの…?私、どうしたらいいの…?もう分かんないよ…ひっ…ひっ…」
そしてまたアインガードが出てきたときだった。承太郎が後ろにいたのだ。アインガードは承太郎がいることにすぐに気づき、目を見開きながらスッと戻っていった。
承「!?…おい。また1人でキャパオーバーになってんのか。」
(なんだ今のは?にもスタンド能力があるのか?いや、俺が敏感になっていて見間違えただけか?でも確かに俺を見て驚いた顔をしていた。どういうことだ)
「…ひっ…承…太郎…?」
承「こんなところに座り込んでないで、来い」
承太郎はの手をひき、自分の部屋へと連れて行った。