第11章 家族の行方
承太郎たちもと彗のそばにきた。
彗「…お前は自分になんも秀でてるものがないと…そう言ったな…」
「うん…」
彗「そんなことないぞ…には誰にも負けないその強い心がある…決して堕ちない…優しく強い心が…」
「お兄ちゃん…」
ついに目から涙がこぼれ落ちた。
彗「ごめんな…弱い兄ちゃんで…親の言いつけも守れない兄ちゃんで…ごめんな…」
「そんなことないよ…守ってくれたじゃん…お兄ちゃん私のこと…」
彗「ありがとう…。…承太郎」
承「なんだ」
彗「を…よろしく頼む…そして…信じてるよ…お前たちが勝利することを…心から願ってる…」
承「…おう」
「お兄ちゃん、そんな、そんな最期みたいなこと言わないで、今アインガードで治してあげる、だからそんな、ね?やめて…」
彗「…もう間に合わない…時間だ…遊のこともよろしく頼むぞ…愛してる…」
彗はの腕の中で息絶えた。
「お兄ちゃん…嫌だよ…お兄ちゃん目を開けて…ねぇ、ねぇ!!嫌!!お兄ちゃん!!」
は激しく彗の体を揺さぶった。
承「、やめろ…静かに寝させてやれ」
「だって、だって静かにさせたらお兄ちゃん…」
承「」
承太郎はの肩に手を添えた。
は泣いた。喚くことはしなかった。顔を両手で覆い,静かに泣いた。
承太郎は泣いているの頭をそっと自分の胸に引き寄せた。
するとようやく、声を上げて泣いた。承太郎の胸に顔を埋め、わんわんと泣いた。
皆黙っての様子を見ていたのであった。