第11章 家族の行方
デ「それに君の妹は面白いスタンドを持っているようだからね。仲間になってくれるというなら大歓迎だが、敵であると言うなら厄介だ。それはすぐにでも処分しなくてはならなくなる。どうするんだね?彗」
不思議だった。名前を呼ばれるともう逆らえない、従うしかないという意識になるのだ。そして両親に残された遺言を全うするにはそれしか方法がないと、彗はそう思ってしまった。肉の芽を彗は埋め込まれていない。自分の意思でディオに従うことを決めたのだ。
するとなぜだか、先ほどまで恐怖に萎縮していたのに、心が軽くなったような気持ちになった。
彗「分かりました。貴方様の言う言葉に従います。空条承太郎を殺し、妹をこちら側に来させます。」
デ「もし妹がそれを拒否したらどうするのかね?」
彗「妹も殺します」
デ「仕方がない。私はそこまでする必要はないと思うが君がそう言うならそうしたらいいさ。では、君の活躍に期待しているよ」
彗「はい、ありがとうございます。」
こうして両親は死に、彗はスタンド使いとなってディオの手下になったのだ。
ジョ「ディオの奴…!!」
ポ「俺の時もそうだったが…本当になんて口がうまいやつなんだ!!」
花「責任感の強さを利用するなんて…姑息なやつめ…!」
承「許せねぇな…」
「そう…ぐうぅっ…お兄ちゃんは…お父さんとお母さんのこと…どう思っているの…?守ってくれたこと…くっ…」
は泣きながら聞いた。
みんなは思った。なぜそんなことを今聞くのか。なぜ自分の身を守ることに徹底しないのか。
ただ1人、承太郎だけは冷静にを見ていた。
彗「馬鹿だと思ったよ。ディオ様の言う通り、初めから退いていれば死なずに済んだものを。俺のことを庇ったりするから、良い人ぶるから、いい親ぶるから、死ぬ羽目になったんだ。そもそもスタンドは精神力だ。父さんも母さんも精神力がないからスタンドが発現しなかったのさ。弱い人間だったってことだ。あんな両親から産まれたなんて恥だね、恥。というか、お前はそんなことくだらないことを聞いている余裕あるのか?さっさと自分の身を…」