第11章 家族の行方
父「これからは彗が2人のことを守るんだ…」
母「彗…頼りにしているわ…なんとしてでもあなた達は生きなさい…」
2人はそう言うと事切れた。
彗「だめだ…そんなのだめだよ…父さん!母さん!頼む…目を開けて…」
デ「最初から退けていれば、今も生きていたものを」
彗「!?」
彗は背中からする声にまた身震いし、ガタガタと震えた。
デ「お前、空条承太郎を知っているな?」
彗「!?!?…い、いえ…」
デ「この私に嘘が通用するとでも?」
彗「し、知ってます…」
デ「そして君の妹はその空条承太郎とやらと仲が良いようだね?」
彗「は…はい…」
デ「私にはどうしても空条承太郎に死んでもらわねばならぬ理由があるのだよ。それに協力してくれるかね?」
彗「そ、それは…」
デ「断れば。断れば君の妹も、どうなるかわかるね?君はバカじゃあない。そうだろ?」
彗「はぁ…はぁ…」
デ「私を倒したいと、そう思ってみろ。攻撃したいと。」
彗はディオの顔を見た。そんなこと貴方様には到底できないというような顔で。
デ「構わん。さぁ、やってみるんだ」
彗は震えながら心の中でそう唱えてみた。するとライオンの形をした幽霊のようなものがディオに襲いかかった。
するとディオのスタンドが手で軽くその幽霊を払い除けた。軽くだったはずなのにその力は凄まじく彗は息ができなくなった。
彗「…っ!!!!」
デ「見えたかい?今のが君のスタンドだ。スタンドはスタンドでしか倒せない。そして,スタンドがダメージを喰らうと本体、つまり持ち主である君もそのダメージを喰らう。私はそのスタンドを駆使して空条承太郎とその仲間たちを殺してきて欲しいのだよ。妹はそうだなぁ。こちら側につくというのなら、見逃してやってもいい。悪いようにはしないよ。」
彗「こ,殺すって…」
デ「妹を守りたいのだろう?なんとしてでも生きなければならんのだろう?私のスタンドは最強だ。万が一にもあやつらが私に勝つことはない。実際に君も感じているだろう?どうだね?私が空条承太郎達に負けると思うかね?」
彗は恐怖に屈した。この身の毛もよだつほどの恐怖は今まで感じたことがなかった。こんな相手に誰が勝てるだろうか、いや、誰も勝てはしないと、そう思った。