第11章 家族の行方
「ぐっ…かはっ…」
は口からも血を流した。
彗「さぁ、言え、言うんだ!!お兄ちゃん、私を殺さないで、と。仲間になるから助けて、と。言え!!このままでは本当に死んでしまうぞ!」
「言わない…そんなことっ…」
彗「俺だってお前を…」
「でもっ…げほっげほっ…最期にお父さんとお母さんのこと聞かせて…」
彗「…エジプトを夜に散策していた時、ディオ様が俺たちの前に現れたんだ。ディオ様は矢を持っていた。…」
彗はその時のことをに話した。
ー彗の回想ー
デ「君をこの矢で射抜かせてくれないか?」
ディオを目の前にして、恐怖か何かわからないが彗と両親の体はガタガタと震えていた。
彗「お、俺を…ですか…?」
デ「あぁ、そうだ。君はこの矢に選ばれし者。だから射られても死ぬことはない。約束しよう」
母「そ、そんな…」
父「な、なんでもいたします…ですから、どうか、息子の命だけは…息子を射抜くのだけは…ご勘弁を…」
デ「この私の言うことが信じられんというのか?」
母「!?……そ、そんなわけでは決して…」
父「い、い、射抜いても死なないという保証は…」
デ「射抜いてみれば分かることだ。」
するとディオは矢を構えた。
母「彗!!」
父「後ろへ!」
彗「父さん…母さん…」
震える体で両親は彗の前に立った。
デ「ほう。親子の絆、か。素直に従っていれば生かしてやったものを。だがまぁそこまでするなら仕方がない」
スパンッ!!!
そう言ってディオは3人を一気に矢で貫いた。
3人は倒れた。しばらくすると彗は目を覚ました。
彗「はっ…!父さん!母さん!」
父「彗…無事だったのか…」
母「彗…」
彗と違い両親は瀕死状態だった。
父「彗…多分父さんたちはもう…」
母「彗だけでも助かって良かった…」
彗「そんな…父さん、母さんしっかりして、今助けを呼んでくるから、ね?」
父「父さんたちのことを最期まで看取ってくれ…」
母「きっと、と遊が心配して悲しむと思うから、2人のことを頼んだわよ…」
彗「だめだよ…父さんたちがいないと…」