第2章 目隠し⦅五条⦆
「 」
待ち合わせ場所で見つけた の後ろ姿。
顔を確認しなくても好きな人の姿なら後ろ姿だけでも だと確信できる。
声をかけようと片手を挙げると、 の隣に知らない男が居た。
「…………」
の表情は見えないが、静かに の近くに行く。
「頼むよ! 俺、地方から出てきたばっかだから案内してよぉ」
『いや、待ち合わせしてるので困ります…
グー●ルの地図アプリで行けるでしょう?』
⦅ ナンパか… ⦆
断る に、しつこく男は道案内を迫っている。
五条は の肩に腕を回し「待たせてゴメンね♪」といつも通りの軽い感じで声をかけた。
『あ、悟!』
五条を見て安心したような表情の を見れば、口元が緩む。
「あ…、人来たならイイヤ…」
五条を見て逃げようとする男に、五条は目隠し越しに黒く笑った。
「道分からないんでしょ?
僕が案内してあげようか? オニイサン」
「いえ、ダイジョブです…」
道案内ではなく、確実に路地裏に案内されそうな五条のオーラに、男はサッサと逃げ出した。
「ヒトの女に手ェ出してんじゃねェよ」
べぇー、と舌を出す五条に、 は『口悪くなってるよ』と苦笑した。
「 はさぁ、非術師に油断し過ぎじゃない?」
の肩に回した腕を外さないまま、五条はそう言った。
『そうかな?』
「ちょっと お仕置きが必要かな」
そう言う五条は口角を持ち上げて意地悪く笑っていた。