第3章 忘れさせてあげる⦅七海⦆
「だから何ですか?」
じっと を見て そう答える七海に、 は『怒らないの?』と聞いた。
「 は被害者です。怒る理由がありません。
五条さんは殴りたいくらいでしたが、それよりも が心配でした」
『健人…』
「私は 貴女を愛しています。
…この手を退けてください」
七海の口づけを拒んでいた手を が そっと下げると、七海は優しく触れるだけのキスをした。
「 が傷つく必要など無いんです」
濡れた髪を撫でながら七海は切なそうに眉尻を下げて そう言った。
七海のその優しさに は止まっていた涙が溢れだした。
『健人…』
七海は をぎゅっと抱きしめ、シャワーを止めた。
「風邪をひきます」
そう言い、ヒョイと を横抱きし、近くにあったバスタオルを にかけて寝室へ向かった。
濡れたスーツが鬱陶しくなり、七海は上着を脱いだ。
無駄な肉が無く、引き締まった七海の体を は見つめた。
「…そんなに見られると少し恥ずかしいのですが……」
七海は片手で口元を多い、少しだけ頬を染めた。
『ふふっ』
七海は やっと笑顔を見せた の頬を撫で、優しくキスをした。
まだ少し遠慮がちにキスに応じる を気遣いながら、七海は の体を覆うタオルを取り去った。
「綺麗ですよ、」
今度は七海が の体を見つめて そう言った。
『恥ずかしい//』
体を隠そうとする の手を押さえ、七海は再度キスをした。