君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第201章 201
「十くんの車あるね」
「はい。それでは万理さん、全力サポートありがとうございました!今夜と明日はゆっくり休んでくださいね」
「もね。本当によく頑張りました。お疲れ様」
駐車場へとやってきたと万理は、互いを労りながら龍之介の待つ車へと歩みを進める。
そんな二人の姿に気付いた龍之介が運転席から姿を現せば、は瞬く間に愛らしい笑みを浮かべた。
「」
「龍くんっ」
「おいで」
柔らかい笑みで両腕を広げる龍之介に、は嬉しそうに駆け出しその腕の中に飛び込む。
「よく頑張ったね。お疲れ様」
「うん、ありがと」
「ずっと、見てた。可愛かった。最高」
「ふふ、褒めすぎでくすぐったいよ」
「褒め足りないくらいなんだよ?本当に……すごいよ、。ありがとう」
最後の言葉に龍之介を見上げれば、誇らしさで満たされた、泣き出しそうな龍之介の瞳が目に飛び込んできた。
「俺たちのせいで、も沢山のプレッシャーを背負ったと思う。それでも、ずっと俺たちを支えてくれて…こんな小さな身体で長時間の生放送走り切ったが本当に誇らしい。愛しくてたまらない」
「龍くん…」
「俺たちを支えてくれてありがとう。俺の傍に居てくれてありがとう。愛してくれて、本当にありがとう」
愛してる。
何度聞いたか分からないその言葉。
何度聞いても満たされるその言葉。
が一番好きで、幸せになれる、元気が溢れ出す、龍之介しか使えない魔法の言葉。
龍之介の頬を撫で、は微笑み背伸びをして顔を近づける。
「私も愛してる。自分の為に、TRIGGERの為に、皆の為に、頑張った。だけど、龍くんが応援してくれてたから、見てくれてたから、ここまで走り切れたの。傍に居なくても寄り添ってくれてるの感じてたよ。ありがとう、龍くん」
龍之介の掌もの頬に触れた瞬間、二人の唇が近づき触れ合う。
抱き寄せられると同時に、もまた龍之介の首に腕を回し抱き着いた。
を見送りその場を離れた万理はふと二人に振り向き、そしてまた向き直る。
「全くあの二人は…」
小さく溜息をつきながらも、こればかりは仕方ないとくすくす笑い、今日だけだからね、と見ないふりをすることにしたらしい。