君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第199章 199
色んなことがあった。
楽しい事、嬉しい事、たった24時間の中で様々にあった。
だからこそ、間違ったことは、しちゃいけないんだ。
「視聴者の想いを、私たちが無駄にしちゃいけないって、思います」
スタッフルーム。
TRIGGERの曲が一瞬でランキングから消えてしまったことにより、SNS等で「不正だ」等批判が出ていることを知った出演メンバーは、スタッフの元へと向かった。
「沢山の、ファンの子達の思いを受け止めて、何倍にもして返すのが、私たちの仕事であり、義務です」
「さん…」
「こんな形でみんなの想いを裏切ったら、誰が私たちを、芸能界を愛してくれるんですか?誰が応援してくれるんですか?視聴者やファンがいなかったら…私たちはどうやって立って、歌って、踊って、演じればいいんですか?」
「俺たちは、ファンが求める曲を歌いたいです!」
「しかし…」
「良いじゃないか」
そこに聞こえてきた声。
製作総指揮者のプロデューサーである。
「ですが…!」
「FriendsDayは、テレビは、真実を伝えるべきだ」
「プロデューサー…わかりました」
「IDOLiSH7とさん、8人でのパフォーマンス、楽しみにしていますよ」
「…はい!」
「ありがとうございます!」
すぐに、ランキングは元の順位に戻され、TRIGGERの曲が一位に戻った。
これでは不正を認めるようなものだが、それでも構わないと、現場スタッフ達もまた、安堵したように表情を緩めた。
「フォーメーション。どうする?」
「なんせTRIGGERよりほぼ3倍だからな」
「譜割もなかなか大変ですね」
「私、サビ部分だけでも…」
「が歌わなかったらお前のファンに殺されそうだから歌ってください」
短い時間で振り付けと譜割を考える。
ひとまず陸とをセンターである天のパートに据え置き、そこからはメンバーを割り振っていった。
「天のパート…お、恐れ多い…!」
「陸は九条と同じセンターだし、九条の線の細さとしなやかさ出せるダンスできんのお前だろ」
「ちゃんは振り付けも完璧だしね!」
「ひぃん…頑張ります!…ちょっと、振付確認したい…」
盛り上がるメンバーに、小さくガッツポーズをし頷いたは、何やら心配そうな百に気付いた。
「百さん?」