君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第198章 198
翌朝、ロビーへ集まった一同。
一織はを見るなりため息をつく。
「出会い頭のため息傷つくー」
「何時に寝ましたか?」
「三時ちょっと前?」
「くらいになっちゃったね」
一織の問いに龍之介を見上げ首を傾げれば、こくりと頷かれる。
「三時間しか寝てねーじゃん!」
「三時間も寝たよー?」
「十さんがいたからぐっすり眠れたかと思ったら…」
「龍くんがいたからぐっすり超熟睡できたよ」
確かに、にぱりと微笑むの顔には一切の疲れはなく、寧ろつやつやとしている。
「それは分かってます」
「じゃあなんで睡眠時間聞くのさ」
「十さんの寝不足感満載の顔ですよ」
「ああ、はショートスリーパーだけど、俺はもう少し寝ないとちょっと眠気残っちゃうからね」
軽く頬を掻きながらくすくすと笑う龍之介に、一織はを見る。
「何してたんですか、そんな時間まで…なんて野暮なことは聞きませんが。構成頭に入ってますか?」
「もち!」
「なーなー!ヤマさんもみっきーもナギっちもちょー疲れてるだろうし、なんか応援ソング作ろうぜ!」
「いいね!あと12時間頑張れそうなやつ!」
「歌だと長くなっちゃうし、あとじゅーにじかんっ!て応援団みたいにしてみたらどうかな?」
「っちそれナイス!」
「楽しそうー!」
環、陸、の無邪気三人組で応援歌を作りキャッキャと振り付けまで考え始め、によって一織も巻き込まれたのを龍之介は微笑ましく見守る。
そんな中、陸が盛り上がる輪の中からそっと抜けて龍之介の前に立った。
「陸くん、どうしたの?」
「あの、俺…昨晩どうしても気になって、夜中抜け出してスタジオに行ったんです」
「え…」
「…そこで、ツクモの社長さんに会いました。色んな、僕と君は同じなんだ、とか言われて、俺、よくわからなかったんですけど…」
陸の言葉に、龍之介はそっと頷きながら耳を傾ける。
月雲と己のやり取りを話したいから龍之介に話しかけたのではない。
龍之介を選んで声をかけたのだから、それはきっと、に通じる。
半ばそう確信しながら龍之介は陸を見た。
「ちゃんのことも、言ってました」
「…なんて、言ってたの?」