君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第2章 2
「では、詳しい説明の先に、出演者の自己紹介から始めましょうか!まずは、主演の二人から!」
プロデューサーの言葉に、は龍之介を見上げて頷く。
主演の二人と言われたものの、はあくまでヒロインであり、主役は龍之介である。
「八乙女事務所の十龍之介です。ドラマの主役は初めてではありますが、皆さんを引っ張っていけるよう、頑張ります!よろしくお願いいたします!」
「うん、よろしく!頼りにしてるよ、座長!お次は、ヒロインのさん」
名を呼ばれ、は龍之介と目を合わせ頷いてから立ち上がる。
「初めまして。小鳥遊事務所のと申します。端役でのドラマ出演はありますが、名前の付いた役は初めてですごく緊張しています。至らないところもありますが、よろしくご指導ください。よろしくお願いいたします!」
頭を下げ、微笑み周りを見回す。
途端、周りの者たちはうっとりとに見入った。
数いる芸能人がいるこの場で、一人が特別なわけではない筈なのに、何故か見入ってしまう。
特に、龍之介はより強く、に魅入っていた。
その笑顔に、うっかり手を伸ばしそうになる。
いち早く惚けから脱することができた監督が次を促し、龍之介はびくりと伸ばしかけた手を反対の手で押さえる。
監督の言葉に一同ハッとしてから自己紹介が再開されたのであった。