君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第185章 185
未だ視線は集まっているが、特に騒ぎになるようなことはなさそうである。
「は、今日どこ行くんだ?」
「そうだなぁ…案外べたな観光名所とか行ったことないから…その辺行ってみよっかなーって思ってる」
「休日で人多いけど、大丈夫なの?」
「人が多い分、多分気付かれにくいとも思うんだよねー。だから、立ち止まって長居しなければ大丈夫かなって」
変装もするというに、気を付けなさいよ、と頷き姉鷺は龍之介を見る。
「龍、あんたが一番しっかりしなさいよ」
「が一人で観光…迷子になったらどうしよう…変な人に絡まれたら…」
「流石に知らない土地じゃないから迷子にはならないよぅ。最終手段、タクシーだってあるんだし」
「うん、そうだよね。でも心配…」
「大丈夫。龍くんに心配かけさせるようなことは絶対しないから」
クスクス笑いながら、は龍之介の顔を覗き込む。
「安心して、しっかり準備して、最高のTRIGGERの十龍之介を見せてね」
「うん、俺、頑張るよ」
「いい子。愛してるよ」
そう言ってはそっと龍之介の頬をつつき、残りを食べ始める。
すると、じっと突き刺さる視線。
天と楽が羨ましげに見ていた。
「は龍を構いすぎ」
「ずりぃ」
「もー、天下のTRIGGERがこんな小娘に縋らなくていいの-。でも、天も、楽も、三人とも最高に大好き。頑張ってね?」
くすくす笑いながら、は天と楽に指を伸ばし頬をつつく。
「、あんまり三人甘やかさなくていいわよ」
「普段甘やかされてますから、ほんのお礼です」
嬉し気なTRIGGER三人に微笑みながら、は姉鷺を見上げる。
そんなに微笑みながら、一同和やかに食事を終えたのであった。