君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第181章 181
のその言葉に、友人は納得と言ったように頷く。
は決して外に自分の悩みを漏らすタイプではなかった。
ある程度自分の中で解決策を考え、実行し、どうにもならなくなってから外に吐き出すタイプだったように思う。
実家とのことも、詳しく知っているわけでは無いが、深刻になってから「実は」と打ち明けられることも多く、なんでもっと早く言わなかった?と何度言ったか知れない。
「今は話せる相手が多いんやな」
「そうだね、事務所も家族より親身になってくれるし…」
「それならうちらも安心や。せや、私、IDOLiSH7のナギ君めっちゃ推しなんやけど…」
「お目が高いね明美さん。王子様タイプ好きだったもんね」
「ナギ君、普段のあのまんまなん?」
「あのまんま。プリンス。IDOLiSH7は普段のライブとかテレビとかとギャップないと思うよ」
そんな会話を交えながらランチを少し長めにとった数時間後。
「あかん!彼氏と約束しとったん忘れてたわ」
「それ忘れちゃダメな奴やん!」
「堪忍な、先出てええ?これ、お会計な」
「大丈夫。早くいったげて」
支払いを受け取り、はにこりと微笑み友人を見送る。
窓の外から手を振りながら街に溶け込んでゆく友人に、は手を振り返しながら微笑んだ。
「皆様青春ですなぁ…」
そう言ってくすくす笑いながら、もういっそここでホールに行くまでの時間をつぶしてしまおうと、は新たにデザートとドリンクを頼む。
「早く会いたいなぁ…あ、晩ご飯リストアップしなきゃ」
仲はいいくせに些細な意見が割れやすいTRIGGERに、くすくす笑いながらスマホを操作する。
その表情は、周りから見てもとても楽しげなものであった。