君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第20章 20
そして戻ってきた東京。
駅で解散かと思いきや、と万理は姉鷺にタクシーに突っ込まれ、とある高級料亭へと連れ込まれた。
と万理は並んで座らされ、の正面に龍之介が座る形で姉鷺と龍之介が並んで座っている。
「……」
「……」
「さて、取り敢えずは、オールアップお疲れ様。全部しっかり見てたわけじゃないけど、良かったわよ。ちゃん」
「ありがとうございます」
ストレートに姉鷺に労われ、は頭を下げる。
「で、今後の事だけど…。あんたたち、仕事の外でどこまで行ってるの?」
「へ?」
「?!!」
「…なによ、その“何で知ってるんですか姉鷺さん!”みたいな顔。周りは気付いてなかったけど、私と大神君はすでに気付いてたわよ」
「?!!」
姉鷺の言葉に、は万理をバッとみる。
「が十くんに憧れを持ってるのは知ってたしね」
「で、どこまで行ってるのか教えて頂戴」
「…え、と…」
「キスしました。カメラの外で」
どこから話そうかと考えるの正面で、龍之介は真っすぐに答える。
そんな龍之介に同意するように頷き、は口を開いた。
「私が、仕事でファーストキスは本望なような寂しいような、とお話したら…十さんがしてくださいました。私が誘ったものです。申し訳ありません。でも、私は龍之介さんが好きです。ですから、後悔していません」
「は悪くないよ。俺が我慢できていれば…。小鳥遊事務所さんには申し訳なく思います。でも、俺も後悔してません。俺はが好きです。反対されても、彼女と離れたくありません」
「…龍之介さん…」
の呼び方も変わってるなぁ…。
等と思いながら、万理は小さく咳払いする。
「正直、事務所としては君たちの交際は反対だよ」
「……」
「十くんも、TRIGGERとしてまだまだこれから。TRIGGERはファンの恋人というスタンスがあるのなら、それを崩すべきではないとも思うしね。それに、もこれから売り出して、もっと活躍すべき逸材だと思ってる」
万理の言葉に、は小さく頷くも、顔を俯かせる。