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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第178章 178




「FSCが借りられた?!」

数日後、仕事に出かける少し前、は龍之介の部屋で早めの昼食をとっていた。

「いつ?!チケット販売いつ?!」
「来る気?」
「当たり前!……よっしゃ!オフの日-!!奇跡ー!!!」

大勝利!と両手を天に掲げ感謝の祈り。
おたくすげぇ…と天と楽がくすくす笑っていれば、龍之介もまた微笑みを後ろから抱きしめた。

「フォーク振り回さないの」
「はーい、ごめんなさい」
「でも、京都だけど…いいの?」
「うん。TRIGGERと一緒のホテル取れるかな?そっち泊まる」
「…ライブの後に…と一緒にいられる…」

龍之介もまたガッツポーズである。
ライブの後のテンションのまま、に襲い掛からないかが天と楽はとても心配なのだが。

「チケット、用意しておこうか?」
「自力で取りたい…」
「今回は、俺たちからプレゼントさせて?の支えがあるから、俺は頑張れてるんだから」
「俺も」
「僕も」

龍之介の言葉に、楽も、天も頷く。
地方紙の撮影や、地方イベントでの仕事しか今はないTRIGGER。それはそれで楽しいが、やはり落ち込みそうなときは多々ある。
それでも気分を落とさず常に前を向いて、腐らずいられたのは、待っていてくれるファンと、のおかげである。
は常に笑顔で、どんな時も前向きな言葉をくれた。
彼女自身も忙しいはずなのに、決して弱音を吐かず、愚痴も言わず、三人を支え続けていた。
の笑顔が、その仕事への真摯な姿勢が、どれだけ支えになり励みになったかは計り知れない。

「…ありがとう、龍くん、天、楽」
「ほんのささやかなお礼だよ」
「私こそ、三人にはいろいろしてもらってるのに、ちょっと申し訳ないけど…今回は甘えちゃおっかな」

何とも嬉しそうに微笑み、は龍之介を見上げ抱き着く。

「ありがとう、お願いします」
「うん、任せて」
「チケット確保するのはTRIGGERなんだけど?」

天のその言葉に、は龍之介に口付けてからそっと離れて、天の前に立つ。

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