君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第176章 176
やって来たドレスルームはどこかの宮殿の衣裳部屋のような豪奢なものだった。
「すっっっごぉーい」
純白のウェディングドレスを始め、色とりどりのカラードレス、打掛などの和装まで並んでいた。
「本日は体験ですので、着用できるドレスの種類は限られてしまうのですが…こちらのクローゼットのものからお選び下さい」
それでも何十着もあるドレスには圧倒されていた。
「悩んじゃうなぁ」
「様はとてもほっそりとされておりますので、マーメイドドレスなど体のラインが出るものもよくお似合いと思いますが…とても愛らしい印象をお持ちですので、プリンセスラインやAラインのドレスもよくお似合いに…すべてお似合いですっ」
そんなスタッフの言葉に、龍之介、天、楽はうんうんと頷き、は選択が狭まらずに苦笑する。
そんな中、一着のドレスに目が留まり、その前に立つ。
「綺麗…」
「そちらは有名デザイナーのデザインでして、繊細なレースが特徴的なプリンセスラインのドレスとなっております」
着てみますか?
その言葉に小さく頷き、はスタッフと共に試着用の部屋へ。
どこもかしこも宮殿のような造りで感動してしまう。
龍之介たちもまた、が入って行った試着室の外で、所在なさげにソファに座っていた。
「、どんな風になると思う?」
「そりゃ、可愛くなる以外ないだろ」
「何で楽が一番自信満々なのさ」
「龍がそわっそわして答えねぇからだろ」
そんな楽の言葉に視線を向ければ、試着室の扉が開くのを今か今かと待ち構えている龍之介の姿。
「忠犬…」
「だな」
そんな話をしていれば、試着室の扉が開きスタッフが姿を現す。
咄嗟に立ち上がった龍之介を見れば、にこりと微笑み頷いた。
「とってもお綺麗ですよ。さすが女優さんですね」
間もなくお見えになられます、とスタッフが一礼すれば再度扉が開き、ふわりと広がったスカートが見えた。
「お待たせいたしました。あんまりにお綺麗で、アクセサリーなど張り切ってしまいました」
「…」
そっとアテンドされながら姿を現したは、いつもより一段と輝きを放っていた。
ふわりとしたスカートから、きゅ、と絞ったウエスト。